一橋大学ガスエネルギー研究会

初めに

一橋大学には、「資源エネルギー政策プロジェクト」があります。
それを踏まえつつ、益々重要性の増大する、ガスエネルギーに特化した研究会も必要ではないかとの様々な声がありました。これらのニーズに応え、国産のガスエネルギー源として開発が期待される、メタンハイドレートにお詳しい、成田英夫 産業総合技術研究所メタンハイドレートセンター長の御参画も得て山内弘隆教授に主導頂き、橘川武郎教授のご支援も得て、産官学の「手弁当」での「一橋大学 ガスエネルギー研究会」が2013年度の約1年間、集中的に実施されました。
ガスエネルギーに関する最新の情報、政策動向、資源国との関わりなど、最先端の知見を有する講師をお迎えし、第一線で活躍する委員の真摯な論議は、ウクライナ以降の現在でも、研究会での論議は十分検証に耐えるものです。
その内容を学部生、院生、学者・研究者はもとより社会一般に幅広くご提供し、活用頂くことを念頭にこのHPを策定致しました。
活発な論議に貢献された講師各位、委員各位にこの機会に感謝申し上げると共に、会場の御提供、会議録作成などにご協力頂いた方々にも、この場を借りて御礼申し上げます。

一橋大学 ガスエネルギー研究会
委員・プログラムコーディネーター
井爪 輝明

目的

東日本大震災およびそれに伴う福島原子力発電所の事故の結果、日本のエネルギー政策は根本的な変革を迫られている。とりわけ電源については、原子力発電所の再稼働が不明確ななか、環境対応型の再生可能エネルギーの導入が期待されるものの、中心的な役割を火力発電に求めざるを得ないのが現実である。
総合的なエネルギー政策の転換点といえる現在、ガスエネルギーが多くの注目を集めている。北米におけるシェールガスの採掘拡大と輸出可能性が現実的となり、世界のエネルギー供給体制に大きな影響を及ぼすことが予想される。これが1つの要因である。世界最大のLNG消費国であるわが国にとって、世界規模でのガスエネルギーの需給関係の変化は、エネルギー産業だけでなく日本経済全般に大きなインパクトをもたらす。政策的には、国際的な状況の変化に迅速かつ戦略的に対応することが要請され、結果としてもたらされる利益を経済全体に均霑する改革が必要である。
さらに長期的視点からガスエネルギー産業を見ると、わが国のエネルギー関係の国際的地位を変化させる可能性がある。その筆頭はメタンハイドレードの動向である。日本近海においてメタンハイドレードの存在が確認され、政府もその開発促進に乗り出している。広大な排他的経済水域を有するわが国にとって、メタンハイドレードをはじめとする海洋開発は潜在的な資源の活用として注目されるところである。
本研究会の目的は、混沌としたエネルギー政策の現状を前提として、ガスエネルギーに焦点を当て、その長期的なあり方、求められる方策を掘り下げて研究することにある。そして、得られた知見が、今後のガスエネルギー政策、さらにはエネルギー施策に貢献することを目標とするものである。

研究体制

  • 委員長 山内弘隆(一橋大学大学院商学研究科教授)
  • 副委員長 橘川武郎(一橋大学大学院商学研究科教授)
  • 委員長補佐 橋本悟(帝京大学経済学部経済学科専任講師)

(委員)

  • 青山伸昭(新日鉄住金エンジニアリング常務執行役員)
  • 石井啓介(東洋エンジニアリング プラント営業統括本部 マーケティング本部長)
  • 伊藤彰彦(三井住友海上 常務執行役員)
  • 代理 海上有紀(同 船舶営業部長)
  • 引頭麻実(大和総研 常務執行役員)
  • 植田信一(大阪ガス 経営企画本部企画部制度企画チームマネージャー)
  • 薄井充裕(日本政策投資銀行 設備投資研究所長)
  • 中野晃一郎(東邦ガス企画部エネルギー政策・制度グループマネージャー)
  • 成田英夫(産業技術総合研究所 メタンハイドレート研究センター長)
  • 神田伸靖(三井造船 技術開発本部 技術理事 )
  • 北野公夫(ジャパンマリンユナイデット 専務執行役員)
  • 笹山晋一(東京ガス 総合企画部エネルギー・技術グループマネージャー)
  • 樽本和芳(日本ガス協会 企画部長)
  • 井爪輝明(日本産業経済研究所所長・プログラムコーディネーター)

(委員補佐)

  • 内野逸勢(大和総研 調査本部 金融調査部 副部長)
  • 内山勝久(日本政策投資銀行 設備投資研究所 次長)
  • 大橋弘隆(三井造船 理事 海洋事業推進部長)
  • 神田肇(三井造船 事業開発本部 NGHプロジェクト室長)
  • 北本都美(東邦ガス 企画部エネルギー政策リーダー)
  • 人見哲也(三井住友海上 船舶営業部 第四課長)
  • 豊島光伸(東洋エンジニアリング プラント営業統括本部 市場調査グループ シニアコンサルタント)
  • 鳥海 誠(ジャパンマリンユナイデット 商船事業本部 商船企画部 特任部長)