1875年に「商法講習所」として開設された一橋大学は、その前身である東京高等商業学校・東京商科大学の時代から、客観的な分析力と深い思考力を備えた高度専門職業人を、産業界を中心に数多く送り出してきました。
大学院経営管理研究科経営管理専攻博士後期課程イノベーション・マネジメント・プログラムは、その伝統を受け継いで、理工系のバックグラウンドと企業経営に関わる高度な専門知識と分析能力を備え、新たな技術を企業成長や事業戦略に結び付けることができる高度経営人材や高度経営専門職の育成を目的としています。
具体的には、技術系人材としての実績や経験を有し、深い洞察と効果的なコミュニケーション・スキルを併せ持つリーダーを育成すること、高度な専門的スキルに支えられた創造性を持つプロフェッショナルを育成すること、そして社会の健全な発展に貢献するための高い倫理性を備えた人材を育成することをその使命として掲げています。
本プログラムにおける学修を通じて経営管理全般の知識と企業経営・イノベーションにかかわる高度な分析力と洞察力を身につけることによって、修了後は、先端技術を基盤とする企業経営の中核人材として、国内外で社会を牽引していくことが期待されます。
大学院経営管理研究科規則および細則に定められた修了要件を満たしたことをもって、『1.修得する能力・資質等』に示した能力および資質等を身につけたものと判定します。
一橋大学大学院経営管理研究科経営管理専攻博士後期課程イノベーション・マネジメント・プログラム(以下、イノベーション・マネジメント・プログラム)では、ディプロマ・ポリシーに掲げた人材を育成するため、以下の教育課程編成の考え方に基づく、学修内容及び学修方法、学修成果の到達目標、学修成果の評価方法による教育課程を設けています。
企業経営やイノベーションに関わる基本的な知識と考え方を幅広く学修した上で、現実社会に生じる課題について深く分析して創造的な解決策を提案し、高い倫理性に基づいてそれを実行につなげ、社会を牽引していく経営人材を養成することを目的として、講義科目と演習科目を設置しています。
イノベーション・マネジメント・プログラムでは、本研究科経営学修士コース経営管理プログラムに開設する講義科目を、「経営戦略」「マーケティング」「財務会計」「企業財務」を中心として集中的に履修することにより、経営管理全般の知識を早期に習得することができます。あわせて、イノベーション・マネジメント・プログラム専用の少人数の演習科目と講義科目を履修することにより、企業経営やイノベーション分野で高い研究能力を有する教員からきめ細かな指導を受けながら研究を進め、企業経営やイノベーションにかかわる分析力や洞察力を高めることができます。
これらの講義・演習科目は、昼間に仕事をもつ社会人を主たる対象に、集中的な学修機会を提供するため、平日夜間・土曜日開講という形態をとっています。
講義科目および演習科目それぞれにおける目標はシラバスに明示されています。
講義科目においては試験やレポートにより、演習科目においてはレポート、発表内容、論文等を通して、その目標への到達度を判定します。
また、学位論文は、所定の審査体制と審査基準により評価します。
さらに、体系的なプログラムを通じた学修目標の達成度を確認するために、本研究科では、ビジネススクール国際認証に対応した「学びの質保証」(Assurance of Learning)に継続的に取り組んでいます。その結果は、各科目の内容およびカリキュラム全体の改善に活用されています。
なお、研究活動上の不正行為を防止するため、全学生を対象として、研究倫理教育を実施します。
一橋大学大学院経営管理研究科経営管理専攻博士後期課程イノベーション・マネジメント・プログラム(以下、イノベーション・マネジメント・プログラム)では、①民間企業において技術職に従事するミドル層や経営幹部候補者、②技術職のキャリアを歩み、高度経営人材や高度経営専門職として活躍を目指す実務経験者をはじめとする、理工系のバックグラウンドを有するミドル層を主たる対象として、企業経営やイノベーションに関わる基本的な考え方を幅広く学修した上で、現実社会において直面する諸課題について深く考察して創造的な解決策を提案するための思考力を養成していきます。
濃密で負荷の高い学修が求められることから、入学にあたっては、企業経営や自らのキャリアに関する明確な問題意識とともに、高度な専門知識と分析能力を獲得する前提となる知的能力が不可欠となります。その知的能力の中心となるのは基礎的な思考力とコミュニケーション能力です。さらに、社会における様々な問題を解決する使命感と高い倫理性も不可欠です。
【求める学生像】に示した能力や資質を有しているかどうかを判定するための入学者選抜を実施します。
イノベーション・マネジメント・プログラムでは、一定の実務経験を出願要件としています。入学者選抜では、研究計画書をはじめとする提出資料や、思考力や研究計画等を確認する口述試験を通じて、受験者の能力と意欲、技術系人材としての実績や経験(「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力等の能力」、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)を多面的・総合的に評価します。